基礎知識③リフォーム

大家さん必見!賃貸住宅のリフォーム事例

賃貸住宅のリフォームは、ただ「お金をかければいい」だけではいけません。気合を入れてリフォーム(リノベ含む)したものの、まったく問い合わせが無い!なんてよくあることです。壁紙などは、入居者さんお好みもありますし(まず男女で違う)写真栄えするような、目を引く派手なもののほうが決まりやすいかなと考えがちですが、まずは、設備のアップグレードを!

 

Before リフォーム前の和室 和室はなぜ人気が無いのか・・・くつろげそうで良いのにな?と思いますが、原因は原状回復に関係してきます。畳の費用は入居者さんもちが多いからです。

壁の1面だけ色を変えます。

1.リフォームするときの流れを知る

リフォームするときの流れをあらかじめ理解しておけば、物件探しとリフォームを効率よく進めることができます。

2.リフォームのイメージを固める

探している物件の築年数によっては、大掛かりなリフォームが必要になることがあります。どの程度のリフォームをするか想定し、リフォームに関する様々な情報を集めます。
なお、マンションの場合は、「管理規約」などでリフォームできる範囲などが定められていることが多いので、早めに確認をするとよいでしょう。

3.リフォーム予算を決める

雑誌やインターネットなどの類似事例からおおよその見当を付けたり、物件の仲介をした不動産会社に相談するなどして、希望するリフォームでどのくらいの費用になるか目安を立てます。リフォーム費用が高額になる場合は、ローンの利用を検討します。
耐震や省エネ、バリアフリー等のリフォームに対して、自治体から助成が受けられる場合や所得税・固定資産税等の減税が受けられる場合もあるので、確認をしておきましょう。

4.リフォーム業者を探す

情報収集した施工事例などを参考に、自分が希望するリフォームの実績が豊富なリフォーム事業者を数社選びます。
各事業者の会社概要や工事実績、リフォームの進め方などの情報も入手しておきましょう。

リフォーム会社の特徴

ハウスメーカー、
不動産(分譲)会社系の
リフォーム専門会社
ハウスメーカーや不動産(分譲)会社で、リフォーム専門会社として関連会社やリフォーム部門を設けているケースがある。新築の設計・施工のノウハウが豊富なので、増築や間取り変更などの大規模なリフォームに向いている。
その他のリフォーム
専門会社
リフォームを専門に手がけているので、小規模な修繕から増改築まで、どのタイプのリフォームにも対応できる。もともと工務店だったり、設備工事店だったりすることが多いので、得意分野がそれぞれの会社によって異なる場合もある。
設備機器系の
リフォーム会社
住宅設備機器のメーカーの多くは、自社の製品を扱うリフォーム事業を進めている。希望するメーカーの設備機器を導入する場合に依頼するのが一般的。バスルームやキッチンなど、水まわりを中心としたリフォームに向いている。
工務店 地域に密着した営業をしているため、小回りがきく場合が多い。小規模なリフォームをするところが多いが、大規模なリフォームまで手がけているところもある。
設計事務所(建築家) 設計事務所では、設計と施工監理のみを行うのが一般的なので、施工は別に工務店などに依頼することになる。きめ細かい提案を期待できるので、大規模なリフォームに向いている。ただし、新築しか手がけていない設計事務所もある。
ホームセンターや
インテリアショップ
基本的に、その店で購入した家具や部材・建材などを中心としたリフォームを行っている。小規模なリフォームやコーディネイトを重視したリフォームに向いている。

※上表の内容は一般的なものであり、すべてのリフォーム事業者に当てはまるものではありません。

リフォーム事業者を選ぶ

リフォーム事業者に関する情報を収集し、自分が希望するリフォームに合った事業者を選びます。リフォーム事業者から話を聞いたり資料を入手したりして、得意分野だけでなく、安心してリフォーム工事を任せられるかどうかについて、以下のポイントを確認するようにしましょう。

  • 希望するリフォームと事業者の事業内容がマッチしているか
  • リフォーム事業の経験年数が長く、実績が豊富であるか
  • 建築士や増改築相談員などの資格者がいるか

事業者団体などへ加盟しているか、建設業許可等を受けているか

  • ※500万円未満のリフォーム工事の場合、建設業許可は不要
  • どのような種類の保険に加入しているか
  • 工事完了後のアフターケアはあるか
  • リフォーム事例を見せてもらえるか
  • リフォームする住まいから遠くない事業者か(車で1時間以内が目安)

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5.見積書・提案書の提出の依頼をする

選んだリフォーム事業者に現地調査を依頼し、希望内容を伝えた上で、見積書・提案書の提出を求めます。
複数(2~3社程度)の事業者から見積もりを取ることを「相見積もり」といい、一般的に、それらを比較検討した結果から依頼先を決める方法がとられています。

見積もり依頼時の注意点

リフォーム事業者を1社に絞って見積もりを依頼する場合もありますが、リフォーム工事の規模が大きい場合、一般的には複数(2~3社)の事業者に見積もりを依頼します。これを「相見積もり」といいます。相見積もりは、工事内容が具体的に決まっている場合、選んだ事業者に同じ条件で見積もりを依頼します。具体的な内容が決まっていない場合は、設計・工事内容に関する提案書と見積書を提出してもらいます。
見積もりを依頼する際には、相見積もりであること、無料の範囲で依頼したいことなどを、あらかじめ伝えておきます。また、実際にリフォームする物件を見てもらい、傷み具合やリフォームの可否などを調べてもらうとよいでしょう。

6.リフォーム事業者を決める

提出された事業者の提案書や見積書について、金額をはじめリフォームの内容や施工体制、保証内容などを確かめ、契約する事業者を1社に絞ります。

提案書・見積書の検討

見積もりを依頼して、事業者から提出された提案書や見積書については、工事費の総額だけを比較するのではなく、提出されたプランや見積書の工事内容が希望条件に合っているか確認します。「一式」などと記載され、具体的な工事内容がわかりにくい場合は、明細を求めましょう。
また、相見積もりで、事業者によって金額が大きく異なる項目については、内訳などについて説明してもらいましょう。

7.リフォーム工事の請負契約を結ぶ

相見積もりは大まかな条件に基づく概算なので、契約前に、最終的なリフォーム内容や見積もりを確定させます。
その後、正式に工事請負契約を結びます。工事の大小を問わず、契約は必ず書面で結ぶようにしましょう。

契約を結ぶ

相見積もりの場合、見積書や提案書の内容を見て、工事金額や工事内容を比較検討するのはもちろんですが、施工体制や保証内容、リフォームの実績などを総合的に考えて、契約するリフォーム事業者を決めます。依頼しない事業者には、断りの連絡を忘れずにしておきましょう。
決定したリフォーム事業者と改めて詳しい内容を打ち合わせ、契約前に、最終的な見積書・仕上表等を提出してもらいます。リフォーム工事の詳細が確定したら、トラブルを防ぐために、工事の大小にかかわらず必ず契約書を結びます。
契約の際には、工事請負契約書、契約約款、見積書、仕上表等の書類にモレがないか確認します。契約書には、工事内容や金額のほかに工期等の明記されるべき項目があるので、事前に打ち合わせた内容と合っているか確認しましょう。

8.リフォーム工事を行う

マンションの場合は、工事前に管理組合にリフォーム工事の申請が必要です。リフォーム工事中は、工程表通り工事が進んでいるか、契約通りの工事内容になっているかを確認します。工事の追加や変更がある場合は、その都度書面に残しましょう。

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9.引き渡しを受ける

リフォーム工事が終了したら、竣工検査を行います。その後、工事費の精算をして、引き渡しを受けます。

~購入後にスタートすると入居までに時間がかかる~

リフォームを行うには数多くのステップを踏むことになりますが、リフォーム工事に着手できるのは、中古住宅の代金を支払い物件の引き渡しを受けてからになります。ただし、それからリフォームのイメージ固めを始めていると、リフォーム工事が終わって実際に入居できるまでにかなりの時間がかかります。中古住宅を購入した後、リフォーム工事に着手するまでの期間をできるだけ短くするには、物件選びと並行して、リフォーム事業者選びやリフォーム資金の検討などを進めておく必要があります。

~一戸建てでリフォームできない場合~

一戸建ての場合、マンションに比べてリフォームの自由度は高くなる一方で、法律上の規制を受ける場合があるので、事前に確認しましょう。

(1)増築

敷地や建物に関する法規制の範囲内で、増築が可能です。法規制には、以下のようなものがあります。

  • 敷地に対する建築面積(建ぺい率)や延べ床面積(容積率)に関する制限
  • 斜線制限や日影規制などによる、屋根の高さや勾配、建物の形に関する制限
  • 隣の土地との境界線や、道路から一定以上の距離をとることに関する制限

また、防火地域・準防火地域では、建物の構造や材料を燃えにくいものにするという規制があります。

(2)間取りの変更

構造上取り外せない壁や柱を動かしたり、穴を開けたりすることはできません。構造体となる壁が多い工法もあるので、住宅の工法によって間取り変更の自由度は変わってきます。

(3)玄関やサッシ・窓ガラスの変更

防火地域・準防火地域では、防火性能基準を満たした玄関ドアやサッシにのみ変更が可能です。

~中古住宅+リフォーム費用で資金計画を考える~

中古住宅の購入費用を用意した上で、リフォーム費用を用意する必要があるので、それぞれの支払い方を早めに検討しておきましょう。中古住宅の購入費用は住宅ローンを利用するのが一般的ですが、物件代金に加え、諸費用まで借りられる住宅ローンもあります。自己資金はできるだけリフォーム費用に回すのか、リフォーム費用もローンを利用するのかなどを想定します。 また、自己資金を増やす手段として、親からの援助を検討するのも選択肢のひとつです。耐震や省エネ、バリアフリー等のリフォームに対して、自治体から助成が受けられる場合もあるので、確認しておきましょう。
支払うタイミングになってから、思うように借りられないといったことのないよう、計画的に準備することが大切です。

また、一定の耐震、バリアフリー、省エネのリフォームについては、所得税の控除と固定資産税の減額を受けることができます。これらの制度を利用する予定であれば、適用要件や手続きについて事前に確認しておきましょう。

~リフォームに利用できるローンと特徴~

リフォームに利用できるローンには、様々なものがあります。公的ローンである財形住宅融資をはじめ、民間金融機関の多くがリフォームに利用できるローンを用意しています。
中古住宅を購入した後でリフォーム費用を借りる場合、通常は「無担保型」のリフォームローンを利用することになります。なお、購入費用として借りた住宅ローンの借り換えに併せてリフォームを行う場合などでは、リフォーム費用も合わせて「有担保型」の住宅ローンを組めることがあります。 いずれの場合も、購入費用とリフォーム費用のローン返済額の合計額が、年収の何割を占めるかといったローン審査が行われるため、借りられる金額が限られる場合があるので注意しましょう。

リフォームに利用できるローン

1. 民間金融機関「リフォームローン」(無担保型)
融資上限額: おおむね500万~1000万円以内
返済期間: おおむね10年~15年以内
2. 民間金融機関「住宅ローン」(有担保型)
融資上限額: おおむね1億円以内
返済期間: 35年以内
3. 財形住宅融資
融資上限額: 財形住宅貯蓄の合計残高の10倍までの額で、最高4,000万円まで
返済期間: 20年以内

※上表の内容は一般的なものであり、個々の金融機関によって詳細は異なります。

無担保型のローンでは、抵当権の設定が不要なため、審査が少なくすぐに借り入れできる一方で、融資額が少なく返済期間が短い、金利が有担保型より高いなどの特徴もあるので、ローンの種類や特徴を理解した上で、自分に合うローンを選ぶようにしましょう。

  • 中古住宅+リフォーム一体型ローン
    リフォームを前提に中古住宅を購入する人が増えていることから、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて融資する住宅ローンが近年増えています。民間の金融機関の一部で一体型の住宅ローンを提供しているほか、仲介会社と提携した金融機関で一体型ローンを提供している場合があります。また、フラット35でも、「リフォームパック」の取り扱いを始めています。フラット35の窓口となる金融機関で、住宅購入費用のローンはフラット35を、リフォーム費用のローンはフラット35パッケージを一体として融資するもので、詳細の条件は金融機関によって異なります。

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リフォーム費用はいつ払う?

リフォーム工事費用は、大規模リフォームの場合、契約時、着工時、工事完了後など3回に分けて支払うことが多いようです。一方、小規模リフォームの場合は、工事完了後にまとめて支払うのが一般的です。いずれにしても、支払うタイミングに合わせて計画的に費用を用意する必要があります。

リフォーム費用以外にかかる費用もある

リフォーム工事にかかる費用のほかにも、手数料などの諸費用が必要です。具体的には、工事請負契約を結ぶ際の印紙税、ローンを利用する際の印紙税や手数料、保険料等、増築をする際の建築確認申請費用や登記費用などです。
リフォーム工事の規模や利用するローンの種類によってかかる費用は変わるので、資金計画を考える際にはこれらの費用も忘れないようにしましょう。

リフォームは、地域に密着した工務店、リフォーム専門会社、ハウスメーカー等のほか設計事務所などが依頼先として考えられます。中古住宅を仲介した不動産会社に、リフォーム部門がある場合もあります。それぞれに特徴や得意分野があるので、それを理解しておくことが大切です。
また、自分が予定しているリフォーム工事が小規模なのか大規模なのか、設備機器の交換があるのかなど、工事内容に合った依頼先を選ぶことも重要なポイントです。

工事前・工事中の注意点

マンションの場合は、管理組合にリフォーム工事を申請し、建材搬入のために共用部分である駐車場やエレベーターの使用などについて承認を得ておきます。一戸建てで増築をしたり、大規模修繕を行う際には、建築確認の申請が必要な場合もあります。
また、工事中は騒音などが予想されるので、近所(両隣、上下階など)への挨拶も忘れずにしておきましょう。

工事が始まったら、工程表通りに工事が進んでいるかどうか、リフォーム事業者から定期的に報告してもらうのはもちろんのこと、自分でもできるだけ現場を訪問して確認します。工事の手順や内容などで疑問があれば、担当者に確認して早めに解決しましょう。
工事中に追加や変更が生じた場合は、口約束ではなく、追加金額、工期の延長などを確認して、その都度書面で残しておく必要があります。

工事完了後に確認すべきこと

リフォーム工事が終わったら、事業者とともに現場で仕上がりを確認し、契約通りに工事が完了したか、竣工検査を行います。そこで不具合があった場合には、改修を依頼します。
竣工検査後、不具合が直ったことを確認したら、リフォーム費用を精算して、引き渡しを受けます。その際に、保証などの取り決めをしている場合には、保証書やアフターサービスの書面を受け取り、何か不具合が発生したときの連絡方法について確認します。
また、契約書などの書類や図面、保証書、設備機器の保証書などの関連書類は、整理して大切に保管しておきましょう。

リフォームの保証と瑕疵担保(かしたんぽ)責任について

リフォーム事業者とアフターサービスなど保証に関する取り決めをしている場合、その保証内容に応じて工事後一定期間内に生じた不具合等については、無償で補修を受けることができます。
一方、不具合がリフォーム工事の瑕疵によるものであれば、事業者との請負契約における瑕疵担保責任を求めることができる場合もあります。その場合は、状況に応じて瑕疵の補修や損害賠償を要求することができますので、弁護士などの専門家に相談しましょう。
また、リフォーム事業者が任意の住宅瑕疵担保責任保険(リフォーム瑕疵保険ともいいます)に加入している場合は、検査員によるリフォーム工事の現場検査が行われる上、リフォーム事業者が倒産等で瑕疵担保責任に応じられないときには保険金が直接支払われます。安心してリフォームを依頼できるので、事業者選びのチェックポイントにもなるでしょう。              ▲ページのトップへ